前回の続きです。2015年に保育士を目指す人のための造形(絵)の講習会の講師を務めました。
私が学校に通わず試験で保育士資格を取得したことから、そのノウハウをこれから保育士を目指す人にも伝えてほしいというご依頼でした。
引き受けたからには責任をもって講師を務めたいですし、受講された方には必ず合格してほしいと思い、きちんとした講習会にするならこの人に話を聞くしかない!!!と思いました。
この人とは、保育士、幼稚園の先生向けの雑誌にカット集や壁面、絵本雑誌の絵を提供している友人のTさんです。
造形は保育の一場面(運動会・秋の遠足・散歩など)を描きます。
私は絵が下手でどうにもならないレベルだったのに造形での受験を決めてしまったので、私が予想するお題の絵をTさんに5パターン描いてもらいました。
その5パターンだけは完璧に描けるように猛練習。
残念ながら試験当日は予想したお題は出ませんでしたが、描き方のコツは練習で掴んでいたので、臨機応変に対応出来たという経緯があります。
講習会もTさんから絵を描く時のコツを聞いてから臨みました。Tさんが講師をすれば良いのに・・・と思った方!!!実は私も同じことを思いましたが(笑)、主催者側は学校を卒業して保育士資格を取得した人ではなく、私のように試験を受けて取得した人に講師をしてもらいたかったようです💦
以下は講習会で話した内容です。(絵は私が描いたものですのであしからず。)
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試験を実施している全国保育士養成協議会の要綱を見ると
となっています。それを踏まえて以下の話をしました。
【絵を描く時のコツ】
・制限時間が45分しかないことを考えると描き始めが非常に肝心。最初に配置を考え後から消せる程度の薄さで囲う。
・保育士と子どもは描けるように練習しておく。
・1つの絵(子どもや保育士)を最初から書き込みすぎると時間が足りなくなるので、子どもと保育士を中心に全体を考えながら描く。
・子どもと保育士の次に背景を描く。その際に動きと表情が豊かに表現出来るよう、子どもは小さくなり過ぎないように描く。
【子どもの描き方】
・子どもと先生の表情を豊かに描くことがポイントになる。下書きの時点ではおおまかに描き、色を付ける時に表情を付ける。
・子どもは頭と体のバランスに気を付ける。2等身~2.5等身で描くと良い。
・子どもの目の位置は顔の半分より下に描く。
・子どもを数人描く時は髪の毛で男女の区別をして色塗りに時間をかける。
【保育士の描き方】
・保育士は4等身で描くと良い。
・大人の目の位置は顔の半分より上に描く。
・保育士はエプロン+ジャージ姿を描けるようにしておく。
【背景の描き方】
・課題が屋外の絵の時は、子どもも保育士も必ず帽子を描く。
・背景(建物や木)等も下書きはおおまかに描き、色で表現する。
・公園の絵が課題だった場合、滑り台を立体的に描くのは難しいので、どうしても描くなら象さん滑り台のような簡単な物を描くと良い。
・紙には背景が多少切れても、子どもと保育士を全部描き切るようにする。
【実技試験の時に使用する鉛筆について】
・HB~2Bを持参するように指示が出ているが、筆圧の強い人は2Bは消しゴムで消えにくいので不向き。また、描きながら手に付き作品を汚す恐れがある。
・下書きはふわっと描くと消すときに時間がかからない。
【実技試験の時に使用する色鉛筆について】
・これまで19センチ四方のケント紙に描くように課題が出ているが、ケント紙は表面がツルツルなので思うような色が出にくい。よって絵を塗り潰したい時は色鉛筆を寝かせて芯の横まで使うと塗り潰せる。逆に細かい線は色鉛筆を立てて使う。
・色鉛筆はとがらせ過ぎない(ケント紙にのめり込むので)
【絵の練習方法】
・描かないと手が鈍るので毎日練習をすると上達するしコツが分かってくる。
・課題の紙がケント紙ならケント紙で練習した方が良い(画用紙とケント紙では色の出方が違うため)
・色鉛筆に慣れておくと自分の好みのとがり具合が分かってくる
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私が受験した時にTさんに描いてもらった5パターンの絵を受講者にもご覧いただきイメージを膨らませてもらいました。この後お題を出して受講者にも絵を描いてもらうことに。
描いた後は1人ずつ披露してもらい、どこを直したら良いのかを受講者同士で述べ合いました。お互いの絵を客観的に見ることが出来たので気付きも多かったはずです。
実際に描いてみると思ったように描けないと皆さん仰っていたので、「絵はコツを踏まえた上でひたすら練習あるのみですよ~」とすかさずお伝えしました。
受講者が合格されたのかは残念ながら存知あげないのですが、これから受験される方がこれをご覧になって合格されたらうれしいですし、私のように絵が下手でもコツを掴めば描けるようになりますので参考にしてくださいね!